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- 作者: 矢部正秋
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/01/16
- メディア: 新書
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昨日購入したこの本を読んでみました。
この著者さんは弁護士さんみたいですね。
率直に言ってしまうと、ちょっと読み辛いですね。
本を通して一本筋が通った流れがあるわけでもなし。
弁護士としての経験談なども最初の方だけで、
後半は格言や金言などが目立ちます。
が。
じゃあダメな本なのか、というと、決してそんなわけではありません。
特に「はじめに」で、
「考えるとは、曖昧な事実を掘り下げ、具体的に、細密に、個別的な対応策をつくり出すことである。抽象論、建前論、精神論は、物事を具体的に考えない悪しき例である。」
と、キッパリと書かれていることには感心させられました。
まぁ私はSEやらPGやらいう単語が繰り出される業界で働いているわけですが。
そういう業界って抽象論に終始するところがあるんですよね。
なんでだろうと思っていたのですが、
この本では
「それなのに若手の弁護士は、つい物事を一般化し、機械的に判断してしまう。一回的、個別的考察が必要なのに、物事を類形化して考えてしまう。」
と述べて、
その理由の一端を示しているような気がしました。
プロジェクトなんて人、物、金でいくらでも様相は変わってきます。
そんな性質を持ったプロジェクトというものもまた、
一回的な性質を持つのかもしれませんね。
なので個別対応が必要。
よって、会議なりなんなりで共有知を見出そうとしても、
抽象論に終始してしまうのでしょうね。
まぁ、そんな風に感じさせてくれたという意味では非常に有益だったんですよね。
この本。
でも全体的なバランスが悪いかも…。
やっぱり評価が難しい本ですね。これ。