大修館漢語新辞典

大修館漢語新辞典

紙の辞書をそろえましょう運動第二弾。
漢和辞典を買ってみました。
しかし中を見てビックリ。
コレはホントに辞典なんでしょうか?
読み物として普通に読んで面白いですよ。


漢和辞典なので当然、漢字の説明が書いてあるわけですが。
その説明の中に「解字」っていう項目があるんです。
この項目が非常に面白いんですよ。


たとえば、「人」という字だったら、
「象形。横から見た人の形にかたどり、人の意味を表す。人を音符に含む形声文字には、「ひと」の意味を含み、仁がある。」
という記述がしてあるとともに、甲骨文、金文、篆文(てんぶん)の形がそれぞれ書いてあるんですよね。
漢字の成り立ちがわかりやすくて非常に良いです。
「女」って象形だったのか、とか(両手をしなやかに重ね、ひざまずく女性の形らしい)
「鼠」って象形なのかよ、とか(これは象形文字をみれば、ああなるほど、と思えます)
面白い発見がいろいろと。


でも一番の発見は自分の名前についてでした。


私は「亨」って名前なんですけどね。
よく間違えられる「享」っていう字とは意味が違うってことが書いてあって驚きました。
どっちも象形文字で、元の字は一緒らしいんですけどね。
解字は以下。

基礎となる台の上に建っている先祖を祭った場所の象形で、祖先神に飲食物をたてまつるの意味を表す。
篆文は、郭の篆文のつくりに似た形で、のちにこの下部が誤って子に変形して、享の字形となった。
享は亨と同じ語であったが、享は、人がささげるの意味を、亨は、神が受け入れて、物事がうまくとおるの意味を、それぞれ分担することになる。

そんな字の成り立ちだったとは知らなかった。


……名付け親は爺さんだと聞いてはいたけど。
自分の名前にそんな想いがこめられていたとはこの年まで知らなんだ。
いやー、そんな立派な人間からはほど遠い人間になっちまって悪いな、爺さん。


で、漢和辞典
以上のことを考えてみると普通に楽しめる読み物だってことがわかります。
こういうのはPCよりも紙のほうがいいかもしれませんね。
なんとなく手にとって、ばらっとめくって、目に付いた文字をなんとなく読んでみる。
で、字の歴史と字にこめられた意味を知る。


そんな読み方があっているのかもしれません。
面白いですよ。