システム化に向くもの向かないもの

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/081025/sty0810250934006-n1.htm

 調査結果によると、空きベッド情報を検索するインターネットシステムがあるのは37自治体。うち27(73%)に関する評価は「十分機能していない」だった。理由は「情報更新がうまくいかない」(11)が最多。「電話の方が確実」(8)、「ほとんど満床なので意味がない」(3)などが続いた。


……。
やっぱりそうなるんかな。
これ、システム化したことって、ユーザーさんにとっては「新たな負担を押し付けられた」ってことですもんね。
そりゃ更新しないだろうな……。


いや、私、こういうシステムを過去に某SIさんのところでPGとして製造してたことがあるんですけどね。


実際、県とかの担当者さんからは「そういう仕様で」ってことで話がきてしまう。
で、作ってるほうの私も、SIの担当の人も
「結構な入力画面数だけど、ホントにちゃんと毎日更新してくれんのかなぁ」
って疑問をもちながらも、
「まぁ要求仕様がそうなんだし、『ホントに更新してくれるんですか?』って聞いたら『大丈夫です』って言うしなぁ……。」
っていいながら作業をして、納品してしまうわけで。


で、こんな記事をみるとやっぱり心が痛んでしまう。


じゃぁ実際に使うエンドユーザーさんと直接やり取りすればよかったんじゃない?ってのは極論だし。
そんなことしたら要求が膨れ上がって仕様が永遠にまとまらないでしょ、ってことで。


じゃぁ一昔前に流行った「なんとか2.0形式」はどうよ?
ユーザーさんによって個別化できるから使い勝手良くなって更新してくれるんじゃない?
ってことを考えるかもしれませんが、それも違うのではないかと思いますし。


結局は「ユーザーさんの手間が増える」という根本問題解決にはいたっていないわけで。


となると、サーバー監視に良く使われるagent方式で対処するしかないんかなぁと思う反面、
そんなことって現状じゃ無理だよなぁと思ったりもして。
病院の通常業務(PCを使わない作業)の合間にagentかます、なんてできませんし。


じゃ、PCを使って業務システムを使うのが当たり前の状態になってしまえばagentをかます日もくるんじゃない?
ユーザーさんもそしたら手間に思わないから問題ないよ!
っていうふうに未来に救いを求めたりもするんですが、それも
「入力オペレータは常にミスをする」
という現実を突きつけられると行き場がなくなってしまいそうな。


さらに
「電話のほうが確実」
っていう意見を解消させることはまず無理。
だって電話のほうが確実ですもん。
情報最新ですし。
人to人のリアルタイム双方向遅延なし情報伝達(ついでにエラー補正付き)ですもん。
どうしたってシステムじゃ勝てません。


そんなことをグダグダと考えてみますと。
システム化にはむかない領域ってことでいいんじゃないかと思うんですよね。


だって、救急の人から見たら「無駄システム」以外の何者でもない。


なので不要。
もう「向かない」ってことであきらめましょう。


そんな感じで業種によってシステム化の向き不向きってあるはずなんですよね。
そういうのを判別するガイドラインってあったらいいな、とふと思いましたよ。


そしたらそういう「不要な」システムを開発してしまう、っていう悲劇を繰り返さずにすむかなーって。